激動<眠れぬ夜2>

 

彼が22歳の時、父親が他界。

その後母親と中学生の弟を養ってきた彼Mさん。

 

2002年の夏、彼の家族も一緒に住もうと少し大きめの一戸建てを郊外に借りた。

 

私は自宅でできる仕事を見つけ、まずは、ある程度の家事をしながらの二人の生活が始まった。

楽しかった。

朝早く起きてお弁当を作り、彼を送り出し、家事と仕事をし彼の帰りを待つ。

早く逢いたくて彼は急いで帰ってくる。

幸せだった。

母親と弟は気をつかってかなかなか一緒に住むことにはならなかった。

 

2003年に入り景気が悪くなり彼の仕事が減っていった。

頭の彼は、職人さん達に仕事を回すことが精一杯で自分の分はないことが多くなった。

疲れ切っていく彼を励まし、私が稼ぐから大丈夫と安心させた。

しかし、私の稼ぎは彼の家族まで養うには少なすぎた。

いよいよ彼の収入がなくなってきて、生活が苦しくなってきた。

父親の引き継ぎのようにやってきた仕事は、彼のやりたい仕事ではなかった。

それでも家族の為、ついてきてくれた職人さんの為、彼は精一杯頑張ってきた。

 

彼には夢があった。

 

世界征服すると言った彼に、心底惚れ込んでいた。

 

今の仕事をやめると言った時、私は賛成した。

 

少しでも夢に近づく仕事を探そう。

やりたいことをやって欲しい。

それまでは、私が頑張ればいいと思った。

 

職人さん達の再雇用先を探し、その仕事を辞めた。

 

生活はドンドン苦しくなっていったが、彼の動きがとても楽しみだった。

 

職人気質でまっすぐな彼は、理不尽なことを許せず、一貫性のない職場は全く続かなかった。

唯一新規オープンから入ったサービス業は3か月もったが、それ以外は1週間以内に辞めて帰ってきた。

 

 

私の仕事が少し軌道に乗ってきた。

やればやるほど稼げる仕組みだったので、彼にも手伝ってもらうことにした。

その頃は、仕事探しはやめ、家事全般を彼がして、私が仕事をする形になっていた。

 

一から教えることになったが、一緒にいられるし、少しでも手伝ってくれれば助かると勧めた。

 

 

紆余曲折あったが、なんとかそれでやっていった。

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